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NHKにようこそ! 滝本 竜彦 おすすめ平均 ![]() 極端すぎるひきこもり像 P.S.好きです、NHK …Amazonで詳しく見る ![]() |
前作「ネガティブ・ハッピー・チェインソーエッヂ」で感じてたある種の「波動」みたいなものが、今回は大炸裂してて、不覚にも泣きそうになった。
物語の主人公は、大学中退の無職引きこもり男・佐藤君。
いわゆる「ヒッキー」。
彼はひきこもり歴4年、外出は週に一度のコンビニ買い出しだけで、半年以上も他人と口を聞いていない「ひきこもりのプロ」だ。
そして彼はある時、ネット通販で買った合法幻覚剤でぶっとんだ挙げ句、確信する。
「これは『陰謀』だ!俺がひきこもりなのは誰かの陰謀で、その悪の親玉の正体は・・・NHKだ!」
・・・・・・・・・・・・・・・。
え〜っと・・・その、なんだ。つ、つまりNHK(日本放送協会)は、実はNHK(日本ひきこもり協会)だったのである。うん(汗
前作では「チェインソー男」として描かれ、そして「超能力美少女戦士」との闘いという、聞いてるだけで眩暈がしそうな設定で描かれた「敵」。
それが今回は「NHK」である。
もう眩暈を通り越して、呆れるしかない。
いや、呆れちゃうんだが・・・でもね。
はっきり言って、この小説は読む人を非常に限定する小説だ。
ぶっちゃけた話、いわゆる「オタク」として10代後半〜20前後の「青春の一番輝いてる時期」を「陰々滅々」と「さっぱり冴えない日々」を過ごした、そういう人でなければ全く共感も、感情移入もできない。
女の子とクラブで踊りまくって、冬はスノボー、夏は海。ファッションに湯水のようにお金を注ぎ、オタクを見下すそんな「明るい青春」を送ってたアナタは読んでもワケがわかりません。
つか、オマエらは読むな!帰れ!!どっか行っちまえ!!!(半ギレ)
「アニキャラに萌え萌え」とか「エロゲー」とか「ネット」とか「リーガルドラッグ」とか「新興宗教」とか「リスカ少女」とか「精神安定剤一気飲み」とか。
そういった単語に「えっ?(ビクッ)」と思わず「ばれた?」的反応をしちゃったあなた!「い、痛え・・・」と思わず我が身を振り返って痛みを感じた君、「ええ好きですよ。何か?」って現在進行形のお前!「いぃやめろぉぉぉぉっ」と湧き上がる羞恥に身悶えする貴様!
そう、この小説はそんなあなたたちのための小説だ。
ていうか、少なくとも俺のための小説だ。
「青春の痛み」というものを、それも特定のアレゲな視点から、ここまで高らかに、そして脳味噌が溶けそうなほどバカみたいに、でも感動的に描いた小説がかつてあっただろうか?
ああ・・・読みながら目の前に浮かぶは、あの日々。「夢のようなDAYS〜だけど夢じゃない〜♪」(C)マイラバ・・・・つか、頼むから悪い夢であってくれ!!(涙)
自分自身への劣等感と、現状への不満と、漠然とした不安と、なのに打破する気力の無さと。そんなものがぐるぐるぐるぐるぐる・・・・頭の中を駆けめぐって、頭かきむしってみるけど何したらいいんだかさっぱりで、結局なんにもしなくって、そんな自分にまた凹んで傷ついて「もうダメ」「俺ってダメ」「とにかくダメ」が口癖で。
そんな「ダメ人間」だった自分。
いや、今もだけど・・・。
主人公の隣人、山崎くんがリーガルドラッグでぶっとんで、等身大ルリルリ人形にすがりついて「あははは、佐藤さん僕は神になるんだぁ!!僕が神なんですよ!!」とイっちゃった眼で絶叫する場面にいたっては、俺はもうマジで泣きそうだったよ。
痛いよ。痛すぎるよ。
なんだかこんな光景を前に見た気がするよ。こんな友人が過去にいたような気がするよ・・・こんなヤツいたよなぁ?し●ちゃん。札幌の暮らしはどう?元気にやってる?ああ、そう。よかった。
・・・ふぅ。
書いててだんだんイヤになってきたよ(凹み)
でもさ、そんな「出口なし」みたいな陰々滅々とした日々でもさ、それでもなんとかなってく、なんとかしてく、そしてなんとか生きてくんだよ。
相変わらず冴えない毎日だけど。
もう「全然ダメダメのダメ人間」なひきこもり佐藤君と、同じぐらい「出口なし」でどーしたらいいものやら困り果てきっちゃった岬ちゃんのボーイ・ミーツ・ガール物語は、そんな感じではじまり進み、ラストを迎える。
あえて具体的にはなにも書かないけれど。やるせなく、冴えない、だけど素敵で希望にあふれるラストに笑った。笑い泣きした。
もう一度書く。
はっきり言って、この小説は読む人を非常に限定する小説だ。
でもその非常に限定された範囲の中に属してる人は、是非とも読んでほしい。
ていうか読め。
自信をもって(特定の範囲の人に)オススメ。