ちょこちょこと本など読んでおりまするが、感想とか全然書いてなかったので2冊チョイスして。
![]() |
おおきく振りかぶって(1) ひぐち アサ おすすめ平均 ![]() 野球にさほど詳しくなくても面白いです。 うおおああああああああああああああ!! 自意識過剰をエンターテイメントにAmazonで詳しく見る ![]() |
2002年、マンガ俺的ランキングベスト1作品「ヤサシイワタシ」のひぐちアサの連載作。
(参考:過去日記4/9の項参照)
実は、アフタヌーン自体、最近全然読んでいない(というか、何故か読む機会が無い)ため連載は未チェック。
「家族のそれから」で、結婚直後に嫁に死なれた年下の夫と、死んだ嫁の連れ子2人の擬似家族を。「ヤサシイワタシ」では主に大学サークルの人間関係を描いたひぐちアサ。
そのの新作は、なんと「高校野球」。
連載読んでないから、本屋で見つけて正直「マジかよ!?」と思った。
だけど、そこは不思議な人間同士の距離感と台詞まわし(一言でいえば「ヘン」なのに心地いいという・・・新井素子の妙な文体に通じる感覚)が魅力の作者のこと。
「熱血!友情!汗!涙!」の高校野球とは一味も、二味も違う作品になっている。
ぶっちゃけ「おもしろい」
主人公は、コンプレックスとトラウマ抱えまくりで自信喪失してまともに目を見て相手と話せない、コントロール抜群なのにストレートが投げられない(その理由の説明が、今までの野球マンガと明確に違って実に面白い)エース。
素性不明のバカ力の(素手で甘夏を絞るw)女性監督、呑気なようで理論家の顧問、なにやら曰くありげなクールなキャッチャー、天然元気の天才4番と、それぞれキャラが立っていて。
しかもまだ1巻なので、ナイン全てが描かれていないから、さらに魅力的なキャラが出てきて、それぞれの相互作用が面白い効果を生み出しそうな「予感」に満ち溢れている。
1巻だけ読んだだけでは、まだこの先がどう転がるかわかんないんだけど。
でも「連載作品の1巻」っていうのは、「これから面白くなりそうな予感」が伝わってくれば、それで十分だ。
そしてこいつは、久々に「すっごく面白くなりそう」な予感に満ちている。
最重要チェックの一冊。
![]() | 川の深さは 福井 晴敏 おすすめ平均 ![]() またまた波のようなうねりに一気読み 後半の緊迫感、そしてラストシーンは流石! 処女作には、著者のすべてがあるAmazonで詳しく見る ![]() |
今年の正月に、寝食を忘れて読みふけった「終戦のローレライ」の福井敏晴のデビュー作。
代表作であるとこの「亡国のイージス」や「Twealve Y.O」に進む前に、あえて発表順に読んでみようと思い購入。
まだデビュー作な上に、いわゆる「アニメ世代」の作家ゆえか、正直言って、主人公級のキャラクターは漫画的な感じで、物語の筋書きもそうなんだけど。
ただそういうエッセンスをふんだんに盛り込みながら、しっかりとした小説たりえていて、なおかつ緻密な描写とあいまって「濃い」作品になっている。
読んでわかったのは、この人はデヴュー作から一貫して同じテーマを描いているということ。
「安保の庇護下で安寧としてる日本への問題提起」ってのが1つ。
もう1つは「中年おっさんと若手が共闘」っていうw
この小説にでてくる、元マル暴刑事で警視庁からスピンオフしてしがない警備員となってる桃山のキャラクターがいい味出してる。
あと、男泣きするポイントの実に多い小説で、俺は3回泣いたっすよ。
特にこの台詞が実にいい
長いけど引用
「守るものがありゃ、兵士は生き続けることができる。バカでぶきっちょな生き方でもな、あいつはそう決めて、なにも文句は言わなかった。いつかはおっ死ぬとわかってても、泣き言一つ言わねぇで、しっかりあの娘の肩を抱いてたよ。それに比べててめえはなんだ。なにが欲しいんだ。感謝か? 賞状か? いい歳こいて、誰かに頭なでてもらわなきゃ気が済まねえのか」
もうこの台詞に男泣きですわ。
俺もこういう、熱をもった言葉の吐き出せる中年になりたいもんですわ。
これまたオススメ。